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山下清展にはるばると。

きのう7月12日は、山下清が亡くなってちょうど40年という日でした。そんな節目の年ということで千葉県立美術館で開かれていた『放浪の天才画家 山下清展』に行ってきましたの。千葉県立美術館というのは舞浜も船橋も、幕張も越えたところにあってなんだかとっても遠かった、、、けれども駅を降りたらとたんに海風のにおいがして、それが炎天下で少し気休めになりました。

作品は制作年順になっていて、山下清が12歳くらいの頃の貼り絵からはじまっていましたの。その頃の作品はハチとかホタルとかトンボとか、簡単な絵柄なのですが、ひとつひとつ温かみがあって可愛らしいんですの。そして徐々に遠足の風景だったり、ともだちの姿だったりと複雑なモチーフに変わっていきます。手でちぎっていたという色紙の大きさもどんどん小さくなっていって、その細かさに誰もがびっくりしていました。立体感を出すために“こより”を作って貼りつけていく手法まで考えだしているんですの。代表作の『長岡の花火』なんて間近で見たらその細かさに言葉も出ません。目を机に近づけて黙々と、ひたすら色紙を貼っている姿が目に浮かびましたわ。

貼り絵だけではなくて水彩画、ペン画、版画、油絵なんかもあって、芸術家・山下清の一生を堪能できた貴重な回顧展でした。そうそう、遺品として放浪中に使っていたリュックサックが展示されていたのですが、思っていたよりも大きくてびっくり。その中には着替えや食器(食べ物を分けてもらうため)など一式の他に、護身用に石ころ5個がいつも入っていたんだとか。これはゆきぴゅーもマネしようと思います。

あぁそれにしても遠くて暑かったけど本当に行ってよかったです。そして、49歳の若さで亡くなってしまったことがあらためて悔やまれました。生きていれば89歳。
二十一世紀まで生き抜いてほしかった。
この人がパソコンやケータイの今の時代に生きていたらどうなっていたのかなぁ、、、
とそんなことを考えながら再び電車に揺られて帰ってきたのでした。

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