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「海の壁」

ひょんなことからある事やモノや人を突然調べたくなることがありませんか。ゆきぴゅーは数日前からナゼか“チリ地震”に興味を持ちまして、Wikiとかを読んでいたんですの。皆さまご存じかもしれませんがここでざっとチリ地震についてご説明しますと、今から48年前の1960年、南米チリで起こった巨大地震の津波が、22時間かかって日本に到達し、三陸海岸を中心に約140人の方が亡くなっているんですの。どんだけすごい地震だったんですのーと思いませんか?っていうか、地球の反対側で起きた地震の津波が来るもんなんですのね、とびっくり。

で、ゆきぴゅーの興味はこんどはその三陸海岸にいったわけです。またまたいろいろ調べてみると、青森・岩手・宮城にまたがる三陸海岸っていうのはチリ地震以前にもたびたび大津波の被害を受けていて、それを作家の吉村昭さんが「海の壁」という本で書いていると知ってさっそく一気読みしましたの。

本によると、三陸海岸の津波被害は、過去150年以内だと大きいのが3回あるんですの。ひとつめは1896年(明治29年)の大津波。それから37年後の1933年(昭和8年)の大津波。そして27年後の1960年(昭和35年)のチリ地震による津波。最初ゆきぴゅーはチリ地震の津波で140名以上が亡くなったと知ってびっくりしていましたが、明治29年の大津波の時なんて、26,360人もの人が犠牲になっているそうです。きっと今みたいに通信網が発達していなかったという理由もあるからなんでしょうけど、それにしてもすごい数字だと思いました。

明治29年と昭和8年の津波は、大きな揺れがあった直後に発生したものに対して、チリ地震の時は遠く離れた日本にまで津波が襲来するとは思わなかった気象庁が津波警報を出さなかったんだそうです。津波の形や襲来のようすも先のふたつとは明らかに違っていて、津波が来る前の前兆のようなものもなかったんだとか。特に印象深かったのはチリ地震の時の津波を「のっこのっことやってきた」と表現した漁師の人の証言ですの。これだけ聞くとまるでまんが日本昔話のようですが、海面がどんどんふくれあがってゆっくりとせまってくる様子を想像したら身震いしちゃいますわね。

昭和45年の出版当時には、この3つの大地震すべてを経験した方もいらっしゃったわけで、そんな方々の体験談をもとにまとめられた貴重な本でした。過去幾度となく津波の襲来を受けている三陸海岸、いつか旅することがあったらきっとこの本を思い出すんだろうなぁ~という読書録でした。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • ここ館山も江戸時代に津波で街ごとさらわれた漁村がいくつもあるよ
    大洋に囲まれた日本はツナミとは切っても切れない関係だよね

    サーフィンは、はるか地球の裏側からやってくるウネリの恩恵を受けているんだよね
    フィリピンで発生した台風のうねり、南極で発達した低気圧からのうねり
    何日も何日もそれこそのっこのっこと近所の海までやってくるウネリに乗ってると思うと
    地球ってつながっているんだなぁと感じる不思議。
    でも、ツナミは勘弁してほしいけど。。

  • サバ子へ

    館山も昔から津波の被害を受けているところなんですのね~
    そうやって沿岸に暮らす人達は、良かれ悪かれ「海」と付き合っているってぇわけだ。
    ちなみに館山は2002年にゴジラの襲撃にも遭ってますわね。

  • 襟裳岬から根室にかけて、40〜50mの海岸段丘が断続的に続いています。
    この段丘の上に、巨大津波による堆積物が載っています。

    スマトラ沖地震津波級の津波に、500年間隔で何度も襲われたことが分かっています。
    前回は1600年代なので、次は2100年前後。

    ずうっと先の話ですが、想像するだけでも、身震いがします。

    ◆チリ地震津波では、釧路〜根室間の漁港も大きな被害を受けています。
    私は「津波を見に」、河口に行ってみました。

    川が逆流し、広い河原が海水に飲み込まれていきました。
    その不気味さは例えようもありません。

  • erisaさんへ

    そうそう、津波の前はものすごい勢いで川が逆流するって書いてありました。erisaさんは実際それを見ているんですのねー。
    本には、いくら科学が発達しても「津波は必ずまたやってくる」という、老人のことばが書かれていました。その時代その時代で、人間は防護を繰り返していくんですのね。

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